新NISAが始まり、日本株が上昇していますので、株式への投資に興味が湧いている方も多いと思います。
積立投資は、リスクを分散しながら着実に資産を増やす戦略です。
様々な資産が同じような値動きをすることが多く、不確実性が高い時代において、リスクを管理しつつ資産を形成する方法は多くの投資家にとって価値があります。
この記事では、リスクを抑えつつ効果的に積立投資を行う方法と、そのためのポートフォリオ管理について詳しく解説します。
私も普段投資をする上で、気をつけていることなので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
リスクを抑えた積立投資法
- 分散投資の実施
- ドルコスト平均法の利用
ポートフォリオ管理の重要性
- 定期的なレビューとリバランス
- リスク許容度の再評価
まとめ
リスクを抑えた積立投資法
1. 分散投資の実施
リスクを抑える最も基本的な方法は、分散投資です。
「卵は同じカゴに盛るな」という格言もあります。(「トム・ソーヤーの冒険」の著者として知られるイギリスのマーク・トウェインさんの格言です)
これを投資に置き換えると、一つの株に集中投資をするなということになります。
自分が集中投資している会社が倒産してしまった場合、自分の財産はゼロになってしまいます。
現在では会社が20年間存続している可能性は0.3%という調査もあります。(識学総研調べ)
世間では「テンバガー(短期間で株価が10倍になる銘柄のこと)」に憧れ、個別株に投資をしている人も多いですが、この投資法で生き残り続けることは至難の業です。
私たちのような凡人は分散投資をすることが無難です。
資産を異なる地域、異なる資産クラス(株式、債券、不動産など)に分散することで、一部の市場が下落しても他の資産でカバーすることが可能です。
しかし、昨今ではほとんどの資産クラスが同じ値動きをすることが多くなっていますので、現金と株式のみを保有することをお勧めします。
例えば以下のような配分です。
- 現金:生活費の3ヶ月分と予備費(50万円程度)
- 株式:現金で貯めるべきお金以外の全て
この配分ではリスクを取り過ぎていると感じる場合は、現金の比率を高めてください。
以下のように感じる場合はリスクを取り過ぎています。
- 常に株価が気になる
- ソワソワして夜になかなか寝付けない
現金は長期的にみると、インフレにより価値が下がってしまいますので、長期で使用する予定のないお金は全て株式に投資すべきです。
しかし、上記のように感じてしまい、健康を害してしまうことは本末転倒です。
自分にとって心地よい範囲で分散投資をしてください。
- 戦略: 全世界に投資するインデックスファンドや、異なる産業セクターに分散されたETFを選ぶことが推奨されます。例えば、テクノロジー、ヘルスケア、エネルギーといったセクターに均等に資金を分配します。
- 具体的な銘柄:
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
S&P500に連動するETFや投資信託
2. ドルコスト平均法の利用
ドルコスト平均法は、定期的に一定額を投資する方法です。
市場価格が高い時は少ない口数を、価格が低い時は多くの口数を買うことになるため、市場の変動リスクを低減します。
例えば、毎月1万円を投資する場合、その日の株価が200円だったら50口、株価が100円だったら100口 と株価の変動により投資する口数が変動します。
これにより感情に左右されることなく、高値では少なく、安値では多く買うことができます。
より具体的な方法は以下の本が参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
投資初心者ならこの1冊だけ読んでおけば、ほぼ間違いはありません。
この本では、株価が安値の時に買い続けた場合とドルコスト平均法で投資をした場合のリターンを比較した際のリターンを解説しています。
結論だけ言うと、ドルコスト平均法の方がリターンは高くなります。
詳細はこの本に譲りますが、ドルコスト平均法は庶民が取れる最強の投資方法の一つですので、活用する以外の選択肢はないと思います!
ポートフォリオ管理の重要性
1. 定期的なレビューと再バランス
市場の変動により、投資ポートフォリオ(資産構成)のバランスが意図したアセットアロケーション(目的とする各資産の割合)からずれることがあります。
定期的にポートフォリオをレビューし、必要に応じてリバランスを行うことが重要です。
リバランスの方法としては以下の2通りがあります。
好調の資産を売り、不調の資産を買う方法
資産構成から割合が大きくなり過ぎている資産を目的の割合まで売り、売ったお金で目的の割合より低い資産を買う方法です。
例えば、目標とする資産構成をTOPIX(日本株の株式指数)に連動するインデックスファンドを50%、S&P500(アメリカ株の指数)に連動するインデックスファンドを50%とし、資産の合計金額が500万円の場合(TOPIX: 250万円 S&P500: 250万円)
資産構成を見直していた時にTOPIXが200万円、S&P500が300万円になっていたとすると、S&P500を50万円分売り、TOPIXを50万円分買います。
この方法は新たに現金を用意する必要なく、資産構成のバランスを整えることができます。
割合の低い資産を買い増す(売らずに買い増すだけ)
目的とする資産割合から低くなっていす資産を目的の割合まで買い増すだけで、バランスを整える方法です。
上記と同じ設定の場合(TOPIX: 50%, 250万円 S&P500: 50%, 250万円)
資産構成を見直していた時にTOPIXが200万円、S&P500が300万円になっていたとすると、TOPIXを100万円分買います。
この方法は新たに現金を用意する必要がありますので、資産形成中の人にとってはこちらがおすすめです。
簡単にこの項目のまとめは以下の通りです。
頻度と方法: 年に一度または市場が大きく動いた後にポートフォリオを見直し、アセットアロケーションを元の戦略に戻すために資産の売買を行います。
2. リスク許容度の再評価
投資を行う際には、自分自身のリスク許容度を知ることが非常に重要です。
リスク許容度とは、投資において心地よく感じるリスクの量や、潜在的な損失をどれだけ受け入れられるかという指標です。
このリスク許容度は、時間の経過と共に変化し、定期的な再評価が必要とされます。
再評価のタイミング
- 大きなライフイベント(結婚、子供の誕生、キャリアチェンジ、退職など)が発生した時
- 年に一度の定期的な財務計画の見直し時
- 市場環境が大幅に変化した時 など
評価方法
再評価には、現在の家計の状況、将来の収入の見込み、投資目標、生活費の必要量などを考慮に入れます。
また、心理的な側面も重要で、市場の変動に対する自身の感情を見極めることも含まれます。
アドバイザーとの相談
投資戦略やポートフォリオの調整は複雑な場合が多いため、プロのファイナンシャルアドバイザーと相談することを推奨します。
アドバイザーは客観的な視点でアドバイスを提供し、適切なリスクレベルの設定を助けてくれます。
ただし、相談する場合は自分にとって不要な保険や高額な手数料の投資信託を買わないように注意してください!
リスク許容度の適切な評価と定期的な更新は、投資戦略を成功に導くための基盤となります。
自分のリスク許容度が明確であればあるほど、市場の予期せぬ動きに対しても冷静に、効果的に対応することが可能です。
まとめ
リスクを管理しながら積立投資を行うことは、特に変動が大きい市場環境下で安定した資産形成を目指す上で非常に重要です。
適切な分散投資戦略を設定し、ドルコスト平均法を利用することで、リスクを分散しつつ効率的に資産を増やしていくことが可能になります。
また、定期的なポートフォリオのレビューと再バランスにより、投資の目的とリスク許容度に合った状態を維持することができます。
この記事が皆様の資産形成の一助になれば嬉しいです。